【敬老の日に関する意識・実態調査2024】 「敬老の日」の当事者意識は薄れ、5割以上が「普通の連休」と回答。お祝いされたい気持ちは低下傾向。「夫婦で祝う日」と捉える兆しも
株式会社ハルメク・エイジマーケティング
女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、50~88歳のハルトモの女性584名を対象に「敬老の日に関する意識・実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年7月~12月)
【 調査結果のポイント 】
■初めて敬老の日を祝われた年齢は平均63.1歳。一方、対象年齢のイメージは平均73.7歳で10歳のギャップ。いずれも3年前より2~3歳アップ。
■シニア・高齢者のイメージは平均72.7歳(以上)で敬老の日の対象年齢イメージとほぼ一致。生きたい年齢は平均寿命に近い。
■敬老の日=普段の日と考える人が53.3%。「お祝いされたくない」は43.3%で3年前より3.3ポイントアップ。主な理由は自分が対象と思えないから。
■敬老の日はプレゼントを贈ったり、一緒に食事をしたりする日。12.4%は、「パートナーや配偶者と祝いたい」と考えている。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。高齢化社会の中で「シニア・高齢者」「敬老の日」に対するとらえ方はどのように変化しているのでしょうか。今回は50代から80代における「敬老の日」の意識や実態を2021年の調査と比較しながら分析します。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象・有効回答者数:50~88歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性・584名
調査実施日:2024年7月26日(金)~7月29日(月)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 2021年調査:7月、50~84歳300名 全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性対象
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
※ 調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
初めて敬老の日を祝われた年齢は平均63.1歳、対象イメージは73.7歳で10歳のギャップ。 いずれも3年前より2~3歳アップ。 シニア・高齢者のイメージは72.7歳(以上)で敬老の日の対象年齢イメージとほぼ一致。生きたい年齢は平均寿命に近い。
- 初めて敬老の日を祝われた年齢の平均は63.1歳で前回(2021年)調査時より2~3歳アップ。なお、祝われた経験があるのは13.0%と少数派。
- また、敬老の日を祝われる対象年齢イメージの平均は73.7歳で実際に祝われている年齢より10歳以上高く、前回調査時より3.0歳アップしている。
- 「シニア・高齢者」は何歳以上を指すかを平均すると72.7歳で、「敬老の日を祝われる対象年齢イメージ」の平均73.7歳と近似している。
- 「何歳くらいまで生きたいと思うか」は平均すると85.7歳で、女性の平均寿命(87.1歳)と近い。(※2)。
(※2)厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」(2024年)参照
敬老の日=普段の日と考える人が53.3%。 「お祝いされたくない」は43.3%で3年前より3.3ポイントアップ。 主な理由は自分が対象と思えないから。
- 「あなたにとって敬老の日はどんな日か」を自由回答で答えてもらい、コード化して集計した。最も高かったのは「普段の日」で半数以上。次いで「目上の人(父母を含む高齢者)が対象の日」30.1%、「自分が対象の日」は11.1%だった。
- 「敬老の日にお祝いされたい」(お祝いされたい+まあお祝いされたい)は2021年18.3%、2024年は15.2%で3ポイント減。逆に「お祝いされたくない」(あまりお祝いされたくない+お祝いされたくない)は40.0%から43.3%と3ポイント増。
- 「お祝いされたくない(お祝いされたくない+あまりお祝いされたくない+どちらともいえない)」理由は「祝われる年齢ではないと思うから」「老人扱いされているように感じるから」「敬老の日を祝う習慣がないから」が高く、いずれも前回よりやや増。
敬老の日はプレゼントを贈ったり、一緒に食事をしたりする日。12.4%は、「パートナーや配偶者と祝いたい」と考えている
- 「今年の敬老の日にお祝いをする予定がある」(2021年は「昨年お祝いした人」も含む)と答えた人に内容を聞いたところ、最も高いのは「プレゼントを渡す(郵送を含む)」。次いで「一緒に家で食事をする」「直接会って話をする」など。
- 「一緒に家で食事をする」「直接会って話をする」は前回と比べて増。一方、「プレゼントを渡す(郵送を含む)」の他、「テレビ電話で話をする」は前回より5ポイント以上減少しており、全体として「直接会ってお祝いする」傾向が前回より高まっている。
- 「敬老を祝われたい」相手は「息子」「娘」「孫」が高く、「配偶者・パートナー」も12.4%いた。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
「敬老の日」の新たな消費は、夫婦・パートナー単位で費やす?
50歳以上の女性に「敬老の日の意識と実態調査」を3年ぶりに行いました。【回答者の平均年齢】は66.1歳→65.2歳(-0.9歳)とほぼ変わらなかったものの、他の平均実年齢や比率は軒並み上がりました。【初めて祝われた平均年齢】60.8歳→63.1歳(+2.3歳)、【祝われる対象年齢イメージ】70.7歳→73.7歳(+3.0歳)、【お祝いされたことがない】72.7%→87.0%(+14.3pt)、【お祝いされたくない】40.0%→43.3%(+3.3pt)です。なお、お祝いされたくない理由TOP3は「祝われる年齢ではない」「老人扱いされているように感じる」「祝う習慣がない」で、前回と変わりません。今回【シニア・高齢者は何歳以上か】という質問もしました。
平均72.7歳で【敬老の日に祝われる対象年齢】と近い数字です。これは「73歳まで自分はシニア・高齢者でも、敬老の日に祝われる対象でもない」と思っていることを示しています。61歳女性は「自分より高齢の人が大勢いて、まだ高齢になれない。両親が死んだら高齢者になれる気がする」と記しています。相対的にまだ若いということなのでしょう。そして【何歳まで生きたいか】の平均年齢は85.7歳。「60歳代は80歳までが目標だった。70代になったら90歳までが目標になった。あと3年で80歳。目標は100歳になりそう」と77歳の先輩は言います。その時々で「あと少し生きてみよう」と思うものなのかもしれません。
さて【敬老の日はどんな日】なのでしょうか。「普段と変わらない」が半数(53.3%)を占め、中には「連休」「シルバーウィークで旅行する日」という記述も。次いで「目上の人(親含め)が対象の日」30.1%、「自分が対象の日」11.1%、「その他」5.5%です。自身は祝うより祝う側として、目上の人にお花やお菓子を贈っています。他方、【お祝いされたい人】は「子」「孫」が中心。見逃せないのは、「夫・パートナー」(12.4%)です。「夫と旅行の思い出を作りたい」「パートナーと仲良く暮らしたい」などの記述がありました。夫婦・パートナー単位でエンタメや生活に消費する新たな兆しが見えました。
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