【シニア女性のペット飼育に関する意識と実態調査】ペット飼育率は全世帯平均と同水準。今年6月に施行された 「マイクロチップ装着に関する制度」についての認知度は 80%超、75%が賛成派。
株式会社ハルメクホールディングス
女性誌部数No.1(※1)の雑誌「ハルメク」をグループで発行する(株)ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤 孝夫)のハルメク 生きかた上手研究所は、50~92歳の女性551名を対象に「シニア女性のペット飼育に関する意識と実態調査」をWEBアンケートにて実施いたしました。(※1)日本ABC協会発行社レポート36.8 万部(2021 年 7 月~12 月)
調査サマリ
■シニア女性のペットの飼育率は17.4%。飼育者は「人とのつながりになる」等ポジティブな意見が多い。 一方、非飼育者は年代が高いほど「最後まで面倒を見られない」ことが飼育のネックとなる
- 犬飼育者が9.3%、猫飼育者が8.9%。ペット飼育者(犬/猫のいずれかを飼育している人)は17.4%。
- ペット飼育者がペットと暮らして良かったことは、「夫婦の間に入ってくれて会話の中心になる」「人とのつながりもできる」「持病があるのに頑張って生きている姿を自分に置き換えている」「人間としてのやさしさが身についたと思う」「自堕落にならずに済む」などの意見があがる。
- ペット非飼育者が飼っていない理由は、「旅行や外出がしづらくなる」「毎日の世話が大変」「別れがつらい」。「最後まで面倒をみられないかもしれない」は年齢が高くなるほど上昇し、70代以上は37.9%で2位となる。
■マイクロチップ装着に関する制度の認知率は83.1%。賛成派が多数でありながらも装着率は3割未満
- 非飼育者も含めたシニア女性全体では、制度への賛成が75.8%、反対が4.3%。
- ペット飼育者の自分のペットへの装着率は29.2%。「これから装着したい」が7.3%、「迷っている」が22.9%、「装着意向はない・分からない」が40.7%で、自身のペットへの装着には消極的。
- 賛成派の理由としては、「災害時や迷子などいざという時に安心」「最後まで飼うことが当たり前になればよい」など。一方、反対派は、「健康に害がないのか心配」などペットの体への影響を心配することに加えて、「人間の奢りだと思う」「生き物にとって不自然」などの意見も。
■非飼育者を含めたシニア女性全体の32.7%がSNSでペット動画を視聴。非飼育者は、犬/猫よりも、ペットロボットの飼育意向が高い
- 「SNSでペット動画」を見る人は、ペット飼育者で50.0%、非飼育者で29.0%。
- ペット非飼育者の今後の飼育意向は24.2%。年代が高くなるほど意向は低下し、70代以上では12.9%となる。ペットロボットの利用意向は、非飼育者で31.2%となり、ペット飼育意向よりも高い。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。近年のコロナ禍の影響により、ペットを飼育し始める人が増えるなどの変化が起きています。また、本年6月より、犬と猫のマイクロチップ情報登録制度が施行されました。シニア女性はペットの飼育に対してどのような意識を持っているのかを明らかにするために、「シニア女性のペット飼育に関する意識と実態調査」を実施いたしました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~92歳の女性
有効回答数:551名 (犬/猫の非飼育者を含む)
調査実施日:2022年7月15日~7月19日
調査主体 :(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
ペットの飼育率は17.4%。 年代が高いほど「最後まで面倒を見られない」ことが飼育のネックとなる
- ペット飼育者(犬/猫のいずれかを飼育している人)は17.4%。犬が9.3%、猫が8.9%で、一般社団法人「ペットフード協会」実施の「2021年全国犬猫飼育実態調査」の世帯飼育率(犬:9.78%、猫:8.94%)と同水準となる。
- ペット飼育者が、ペットと暮らして良かったと思うことは、「夫婦の間に入ってくれて会話の中心になる」「人とのつながりもできる」「持病があるのに頑張って生きている姿を見ると、その姿を自分に置き換えている」「人間としてのやさしさが身についたと思う」「自堕落にならずに済む」などの意見があがる。
- ペット非飼育者が、飼っていない理由は、「旅行や外出がしづらくなる(44.0%)」「毎日の世話が大変(36.9%)」「別れがつらい(29.2%)」。しかし年齢が高くなるにつれて、「最後まで面倒をみられないかもしれない」が上昇し、70代以上は37.9%で2位となる。また、50代は「お金がかかる」「今の住宅では飼えない」も上位となる。
マイクロチップ装着に関する制度の認知率は83.1%。賛成派が多数でありながらも装着率は3割未満
- 今年6月に施行された「犬と猫のマイクロチップ情報登録制度」についての認知度は、非飼育者も含めたシニア女性全体で83.1%を占め、ペット飼育者では94.8%に達する。
- 制度への賛否についても、シニア女性全体で賛成が75.8%、反対が4.3%となり、賛成多数となる。
- ペット飼育者については、自身のペットへの装着率は29.2%。「これから装着したい」が7.3%、「迷っている」が22.9%、「装着意向はない・分からない」が40.7%で、自身のペットへの装着には消極的。
- 賛成派の理由としては、「災害時や迷子などいざという時に安心」「最後まで飼うことが当たり前になればよい」など。一方、反対派は、「健康に害がないのか心配」などペットの体への影響を心配することに加えて、「人間の奢りだと思う」「生き物にとって不自然」などの意見も。
非飼育者を含めたシニア女性全体の32.7%がSNSでペット動画を視聴。非飼育者は、犬/猫よりも、ペットロボットの飼育意向が高い
- 「SNSでペット動画」を見る人は、ペット飼育者で50.0%、非飼育者で29.0%。
- ペット非飼育者の今後の飼育意向(犬/猫のいずれかを飼育したい割合)は24.2%。年代が高くなるほど意向は低下し、70代以上では12.9%となる。ペットロボットの利用意向は、非飼育者で31.2%となり、犬や猫のペット飼育意向(24.2%)よりも高い。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
ペットが「メタ認知」を高めるきっかけに。非飼育者のロボット市場に機会あり
6月1日から犬・猫へのマイクロチップ装着の義務化がスタートしました。シニアの認知率は8割を超え、装着への賛成が75.8%(反対4.3%)であったのに対し、装着率が29.2%、今後も装着するつもりはないが31.3%でした。「総論賛成・各論反対(消極的)」という矛盾した結果です。自由記述を読むと、この矛盾がひも解けます。制度・装着に賛成した人は「無責任な人が減る」など飼い手(人間)視点で、反対した人は「可愛そう」「健康に害はないのか心配」など飼われる側(犬猫)視点で語っていました。主語が異なるので見方も変わり、背反する回答になったというわけです。有用性を理解しつつも、愛犬・愛猫への装着はしばらく二の足を踏むことになりそうです。
50代以上女性のペット飼育事情はどうでしょうか。飼育率(全体)は17.4%で、犬が9.3%、猫が8.9%でした。ペットフード協会「2021年全国犬猫飼育実態調査」によると、犬が9.78%、猫が8.94%。全世帯平均と同水準ということになります。興味深いのは飼育者の「持病があるのに生きている姿を自分に置き換えている」「人としてのやさしさが身についた」「自堕落にならずに済む」などのコメント。ペットに自分の人生後半を投影させたり、性格・生活を客観的に見つめたりしています。癒しや心の支えだけでなく、ペットの存在が「メタ認知」を高めるきっかけとなっていたのです。年代別にみると、50,60代より70代以上の非飼育者が「最後まで面倒をみきれない」「今後も飼育したくない」の割合が高い傾向でした。そして、非飼育者のペットロボットの利用意向率は31.2%。決して少なくはない数字です。シニア女性に刺激やうるおいを与え、「メタ認知」を高める役割をロボットが担えれば、ペット代わりになる可能性がありそうです。特に、ペットを飼っていない女性に、市場機会の兆しがみえています。
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