プレスリリース

デジタルデバイスに関する意識と実態調査2022

株式会社ハルメクホールディングス

女性誌販売部数No.1(※1)の雑誌「ハルメク」をグループで発行する株式会社ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:宮澤 孝夫)ハルメク 生きかた上手研究所は、55~74歳の女性544名を対象に「デジタルとネットの活用についてのアンケート」を郵送の紙アンケートにて実施いたしました。(※1)日本ABC協会発行社レポート(2022年1月~6月)

【 調査サマリ 】

■シニア女性のスマホ利用率は、昨年より2.1ポイントアップの94.3%。
⇒全体544人の94.3%(513人)がスマホを利用。スマホ“のみ”利用者は全体の46.9%(255人)、“スマホ+パソコン(+α)”利用者は40.1%(218人)であり、パソコンとの併用派も多い。
 
■スマホでの利用率が増えたのは、スマホ決済、動画を見る、ネットショッピング、割引クーポン、インスタグラム。
⇒もっとも伸長したのはスマホ決済で、2019年の6.7%から2022年は31.2%と3年で24.5ポイント増加した。
⇒動画を見る人の割合も、2019年は26.5%、2022年は47.6%と21.1ポイント増加。なお、2022年から有料サービス/無料サービスで設問を分け調査を実施し、有料サービスを見ている人の割合は9.4%となった。
 
■スマホ利用者の、スマホ習熟意欲はコロナ禍を経て高まっている。
⇒スマホ習熟意欲がある人の割合は、2019年は46.3%だったが、2022年は54.2%にまで高まった。
⇒意欲がない人の割合はおよそ2割。この割合は増えておらず、意欲が中間レベルの人が、経年で徐々に意欲が高まっている。
 
■新しいデバイス、特にスマートウォッチへの興味が高まっており、全体の5.0%が利用している。
⇒一昨年は1.7%、昨年は4.4%、今年は5.0%と徐々に利用率が高くなってきている。
 
■利用デバイス問わず、インスタグラムの利用者が急増。シニアと映像との相性の良さも。
⇒インスタグラム利用率は、2017年がわずか3.0%であったのに対し、2022年は17.5%と大きく伸びている。
⇒前述の通り、スマホで動画を見る人の割合も増えており、映像とインスタグラムの相性の良さもある。

【調査背景】
コロナ禍で急速に進んだデジタルシフトが定着しつつあります。昨年はデジタル庁も設置され、行政のDX化も加速しています。また、スマートウォッチなどの新しいデバイスへの挑戦もみられます。
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。今回は、2011年から毎年行っている「デジタルデバイスに関する調査」のデータにもとづき、シニアのデジタル意識と変化をひも解きます。
※調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入しているため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※調査主体の株式会社ハルメクホールディングス「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
 
【調査概要】
調査方法:郵送での質問紙配布アンケート
調査対象:55~74歳の全国ハルメク読者の女性
有効回答数:2022年は544名 ※ 2011年から毎年実施、回答者数はそれぞれ異なる
調査実施日:2022年7月12日(火)~9月2日(金) 
調査主体 :株式会社ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
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2022年のシニア女性のスマホの利用率は、昨年より2.1ポイントアップの94.3%。 スマホのみの利用率は46.9%で、パソコン+スマホ(+α)複数の利用率は40.1%。 スマートウォッチの利用率は、2年前の1.7%から5.0%へ伸長。

・   スマホ利用率は伸びており2022年は94.3%。パソコン利用率は40%程度で横ばいに推移。利用パターンは、スマホのみの人が最も多く46.9%。スマホ+パソコンの併用者も少しずつ増えており、2022年は40.1%。逆に、タブレットの利用については退潮傾向が見えて来ている。
・   新しいデバイス「スマートウォッチ」の利用率は直近2年で1.7%から5.0%に伸びている。

コロナ前の2019年と比べ、スマホでシニア女性の利用率が著しくアップしたのは、 スマホ決済、動画を見る、ネットショッピング、割引クーポン、インスタグラム。

・   最もアップしたのは「スマホ決済」。続いて「動画を見る」、「ネットショッピング」と続いており、シニアのスマホ活用の広がりが垣間見える。

シニア女性の“スマホ使いこなし欲求”はコロナ禍を経て高まっている。

・   スマホ習熟意欲がある人の割合は、2019年は46.3%だったが、2022年は54.2%にまで高まった。
・   一方、意欲がない人の割合は大きな変化はなく2割程度での推移が続いている。中間レベルの意欲の人が、徐々に高い意欲になっている。

シニア女性のSNSの利用率も増加。特にインスタグラム利用率が急増しており、 ツイッターの利用率も徐々に増加中。

・デバイス問わず、いずれかのSNSを利用している人は2022年で23.7%となり、シニア女性の約4人に1人がSNSを活用していることが明らかに。
・特に、インスタグラムの利用率が急増している。ツイッター利用率も増えている。



【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施

「スマホ」「インスタグラム」の先の未来は「スマートウォッチ」「ピンタレスト」か?

この1年も、シニア女性のデジタルの普及と活用が進みました。
生きかた上手研究所では、毎年「デジタルデバイス調査」を実施しています。「終活」「お金」「健康」「家族」の定点調査も行っていますが、「デジタル」ほど、当該世代にとって大きな変化や進展のあるテーマは他にありません。
今年は2つの変化がみられました。
1つ目は、スマホの利用率が昨年から2.1ポイント伸び、94.3%になったこと。大半の55~74歳女性がスマホを持ったことになります。子世代・孫世代とのデバイス上の垣根がなくなったということを示します。
2つ目は、多様な活用が進んだこと。昨年比で伸びが大きいのは「スマホ決済」「動画視聴&撮影」「割引クーポンの入手」「インスタグラム」「QRコード」でした。もちろん、これまで同様、「写真撮影」「電話」「メール」「LINE」「検索」にもスマホを使っています。「決済」「動画」「ポイ活」「SNS」が加わり、スマホが生活の一部に溶け込んでいることが分かります。ここで注目したいのは、「インスタグラム」。写真や動画の投稿に特化している点が、他のSNSとは異なります。画像を眺めるだけで情報を入手でき、撮影した写真をすぐ共有できます。この世代のインスタグラムへの投稿は「季節の草花」「身近な食・風景」が目立ちます。生活のちょっとした小さな喜びのおすそ分けを気楽に行える点が受けているのでしょう。
さて、来年のシニア女性のデジタル動向の予測です。
まず、「スマートウォッチ」などのニューデバイスが健闘すると推測します。「スマートウォッチ」は全体の5.0%が利用。小規模ながら利用率が年々高まっており、ブレイクの兆しがみえます。身につけるだけで簡単にバイタル測定や健康管理ができるので、当該世代との親和性が高いです。エイジテック(高齢者が生活の中で直面する課題を解決するテクノロジー)の入り口という位置づけになるでしょう。
そして、「コミュニケーションにはインスタグラム、今後の自分のためにはピンタレスト」というように使い分けをすると見ています。気軽なテーマにはインスタグラムに写真をあげて「いいね」をもらい、個人が没入したい関心事にはピンタレストを用いて情報入手や画像保存に活用・・。用途や目的でアプリを賢く使い分けているシニア女性の半歩先の未来を想像しています。

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