日本のシニア女性の幸福度は10点満点で7.77点、日本人平均(※1)よりも1.73点高い。 幸せのカギは心身が元気、熱中できる趣味、家族・友人の存在。幸せを感じるのは「食べている時」。 年代が上がるほど「ありのまま」の人生を受け入れ、「なんとかなる」マインドが向上。(※1) 国連World Happiness Report 2022参照
女性誌販売部数No.1(※2)の雑誌「ハルメク」をグループで発行する(株)ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤 孝夫)ハルメク 生きかた上手研究所は、法政大学大学院政策創造研究科 高尾真紀子研究室と共同で、50~84歳の女性507名を対象に「シニア女性の幸福に関する調査」をWEBアンケートにて実施いたしました。
(※2)日本ABC協会発行社レポート36.8万部(2021年7月~12月)
【 調査サマリ 】
■50~80代女性の幸福度(10点満点)平均点は7.77点、2022年日本人平均よりも1.73点高い。
⇒年代別で比較すると、50代では7.67点、60代では7.81点、70代以上では7.80点であり、50代は60代、70代以上と比較して幸福度の平均が若干低かった。
■配偶者がいる人、心と体が元気な人ほど幸福度が高い。また、世帯年収による差も顕著な結果に。
⇒婚姻状況で比較すると、「配偶者あり」のシニア女性は「配偶者なし」と比較して幸福度が高い傾向。
⇒体の元気度、心の元気度ともに、元気度が高いほど幸福度が高い。
⇒世帯年収200万円未満だと幸福度平均6.90点なのに対し、世帯年収1,000万円以上だと幸福度平均が8.72点と、全体平均比で約0.95点高かった。
■「熱心に取り組んでいる趣味・活動の数」が4個以上だと幸福度平均が全体平均点を上回る。
⇒熱心に取り組んでいる趣味・活動数の平均は6.06。熱心に取り組んでいる趣味・活動1位は「健康づくりのための運動」、2位「読書」、3位「園芸・ガーデニング」。
⇒「配偶者なし」もしくは「世帯年収200万円未満」でも、熱心に取り組んでいる趣味・活動の数が4個以上ある人は、幸福度平均が全体平均と同等の水準だった。
■幸せを感じる時1位は「美味しいものを食べている時」、2位は「新たな知識を得た時・自分の知識を深めた時」、3位は「趣味のことをしている時」。
⇒自由記述からは、50代は「子と過ごしたり、子の幸せを感じる時」、60代は「夫とTV、動画や会話を楽しむ時」「孫とコミュニケーションしたり、孫の成長を感じる時」、70代以上は「過去の人生や思い出を振り返る時」に幸せを感じていることがうかがわれた。また、年代共通で「友人と楽しく過ごす時」も挙げられた。
■シニア女性の幸せ要素で大きいのは、「ありがとう」「ありのままに」マインド。
⇒「幸せの4因子」(※3)の各平均点(各28点満点)は、「ありがとう」因子が23.27点、「ありのままに」因子が20.36点、「なんとかなる」18.05点、「やってみよう」因子17.85点。
※3 慶応大学前野隆司教授が考案
⇒年代が上がるにつれて、「なんとかなる」「ありのままに」の得点が伸長する傾向があった。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。長期化するコロナ禍、大規模自然災害の増加、国際情勢の不安定化などに伴い、これまでの価値観が大きくゆらぐ中、一人ひとりの「幸せ」や「ウェルビーイング(心身ともに良好な状態)」がより重視されるようになっています。
こうした中、シニア女性の「幸せ」とは何か、シニア女性はどれくらい「幸せ」と感じているのかを把握するため、法政大学大学院政策創造研究科 高尾真紀子研究室と共同で「シニア女性の幸福に関する意識実態調査」を実施いたしました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~84歳の全国の女性
有効回答数:507名
調査実施日:2022年5月13日~5月17日
調査主体 :(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所、法政大学大学院政策創造研究科 高尾真紀子研究室
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
50~80代女性の幸福度(10点満点)平均点は7.77点、2022年日本人平均よりも1.73点高い。
・国連によるWorld Happiness Report 2022[1]と同じ形式(10点満点)で聞いた幸福度の平均は7.77点。なお、この平均点はWorld Happiness Report 2022の日本人平均(6.04点)よりも約1.73点高い。
・年代別で比較すると、50代では7.67点、60代では7.81点、70代以上では7.80点であり、50代は60代、70代以上と比較して幸福度の平均が若干低かった。
[1] 国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークは毎年「世界幸福度報告」で幸福度ランキングを公表している。2022年のランキングでは、第1位がフィンランドの7.82点で、日本は6.04点で54位だった。詳細はThe United Nations Sustainable Development Solutions Network “World Happiness Report 2022” 参照。
注:幸福度は、「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点とした場合、現在の幸福度にあてはまる点数を整数で尋ねた。
配偶者がいる人、心と体が元気な人ほど幸福度が高い。
・婚姻状況で比較すると、「配偶者あり」の幸福度平均は7.92点であり、「配偶者なし」平均点の7.25点と比較して約0.67点高かった。
注:「配偶者あり」は配偶者と別居している回答者も含む。「配偶者なし」は、未婚、離婚・死別した回答者を含む。
・体の元気度、心の元気度ともに、元気度が高いほど幸福度が高かった 。
注:体の元気度は「とても元気」を10点、「まったく元気でない」を0点とした場合、現在の状態にあてはまる点数を整数で尋ねた。
注:心の元気度は「とても元気」を10点、「まったく元気でない」を0点とした場合、現在の状態にあてはまる点数を整数で尋ねた。
・世帯年収200万円未満だと幸福度平均6.90点なのに対し、世帯年収1,000万円以上だと幸福度平均が8.72点と、全体平均比で約0.95点高かった。
「熱心に取り組んでいる趣味・活動の数」が4個以上だと、幸福度平均が全体平均点を上回る。
・熱心に取り組んでいる趣味・活動数の平均は6.06。熱心に取り組んでいる趣味・活動1位は「健康づくりのための運動」、2位「読書」、3位「園芸・ガーデニング」だった。
注:現在取り組んでいる趣味・活動(35種類を提示)について熱心に取り組んでいる程度をそれぞれ5件法で尋ね、「熱心に取り組んでいる」「やや熱心に取り組んでいる」と答えた活動を「熱心に取り組んでいる趣味・活動」とした。
・熱心に取り組んでいる趣味・活動数が4個以上の人は、幸福度が全体平均の7.77点を上回った。
・配偶者の有無別、世帯年収別に、熱心に取り組んでいる趣味・活動の数3個以下、4個以上で幸福度平均点を比較した。その結果、熱心に取り組んでいる趣味・活動の数が4個以上ある場合、「配偶者なし」(幸福度平均:7.63)あるいは「世帯年収200万円未満」(幸福度平均:7.73)でも、幸福度が全体平均(7.77)とほぼ同等だった。
※「世帯年収200万円未満」かつ「熱心に取り組んでいる趣味・活動の数が4個以上」はn数30未満のため参考値
注:n数が30未満の区分については参考値とする。
注:n数が30未満の区分については参考値とする。
幸せを感じる時1位は「美味しいものを食べている時」、2位は「新たな知識を得た時・自分の知識を深めた時」、3位は「趣味のことをしている時」。
・「幸せを感じる時」について複数回答で尋ねたところ、1位は「美味しいものを食べている時」68.8%、2位は「新たな知識を得た時・自分の知識を深めた時」60.4%、3位は「趣味のことをしている時」60.0%。
・複数回答で答えたもの以外で「幸せを感じる時」を自由記述で尋ねた。その結果、50代は「子と過ごしたり、子の幸せを感じる時」、60代は「夫とTV、動画や会話を楽しむ時」「孫とコミュニケーションしたり、孫の成長を感じる時」、70代以上は「過去の人生や思い出を振り返る時」に幸せを感じていることがうかがわれた。また、年代共通で「友人と楽しく過ごす時」も挙げられた。
シニア女性の幸せ要素で大きいのは、「ありがとう」「ありのままに」マインド。
・「幸せの4因子」[2]の各平均点(各28点満点)は、「ありがとう」因子が23.27点、「ありのままに」因子が20.36点、「なんとかなる」18.05点、「やってみよう」因子17.85点。
・年代が上がるにつれて、「なんとかなる」「ありのままに」の得点が伸長する傾向があった。
[2] 慶応義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 前野隆司教授が考案した、幸せを「ありがとう因子(自己実現と成長の因子)」「ありのままに因子(つながりと感謝の因子)」「なんとかなる因子(前向きと楽観の因子)」「やってみよう因子(独立とマイペースの因子)」の4因子で説明する理論。詳細は、慶応義塾大学大学院ヒューマンシステムデザイン研究室「幸福度の推奨アンケート(SWLS、幸せの4因子など)について」を参照(http://lab.sdm.keio.ac.jp/maenolab/questionnaire.html)。
注:各項目について、「1点:まったくそう思わない」から「7点:とてもそう思う」の7件法で尋ね、各因子28点満点で合計得点を算出した。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。
主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
多くの“関わり”の中で調和がとれると幸せ。「デジタル」もその一つ
日本の50~84歳女性の幸福度は、7.77点でした。国連がまとめた「幸福度ランキングレポート2022」では、1位のフィンランドが7.81、54位の日本が6.04です。当該世代の女性だけを切り取ると、「日本のシニア女性は世界最高水準に近い」といえます。
では、日本のシニア女性の幸せを形成する要素は何でしょうか。「お金」だけでも「健康」だけでもありませんでした。「家族(夫を含め)の存在」「心も体も元気なこと」「熱心になれる趣味や活動」「夫・子・孫・友人と過ごす時間」「食事の時間」「知識を得る時間」「感謝の気持ち」「自然体でいれること」なども影響していました。「多くの縁や関わりがあると幸せ」という結果です。“関わり”を紐解くと、「他者と自己」「お金と時間」「社会と家庭」「遊びと学び」「過去と今と未来」との関係性と言い換えられます。それら全てがバランスよく、つながっている状態が重要なのでしょう。
さて、内閣府(高齢社会白書2022年度)は、6月14日、ネット(SNS含め)を利用している65歳以上の高齢者は利用していない人に比べて3倍以上「生きがいを感じる」と回答したという結果を発表しました。当調査でも「幸せを感じる瞬間」のなかに「夫とプライムビデオ」「孫の動画」などの記述がみられました。なんと、シニア女性が幸福を感じる生活のひとこまに「デジタル」が溶け込んでいたのです。「デジタルによる情報」が、“関わり”の一部として浸透&調和していけば、幸福度は上がっていくのではないでしょうか。これからも、シニア女性をもっと幸福にする兆しを、観察し続けて参ります。
■ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」で掲載しています。
「ハルメク シニアマーケティングLAB」は、ハルメク世代(シニア)を顧客とする企業にとって有益な情報をお届けしている情報サイトです。ハルメクグループが提供する定期購読誌や通販等を通じて得たマーケティングデータや記事、シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」の調査レポートなど豊富な情報が満載です。
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