【シニアの夫婦関係・パートナーに関する調査2023】 50~70代の夫婦満足度は68.3%、男女差が最大22ポイント 女性が相手に求める項目は多岐にわたり、満足度の低さが目立つ 未婚者でパートナーがいる人は約1割、異性の友人がいるだけでも生活の満足度は向上
株式会社ハルメクホールディングス
女性誌販売部数No.1(※1)の雑誌「ハルメク」をグループで発行する株式会社ハルメクホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤 孝夫)ハルメク 生きかた上手研究所は、50~79歳の男女600名を対象に「シニアの夫婦関係・パートナーに関する調査2023」をWEBアンケートにて実施いたしました。(※1)日本ABC協会発行社レポート(2022年7月~12月)
【 調査サマリ 】
■夫婦関係の満足度は68.3%。男女差は最大22ポイント
⇒夫婦関係の満足度は既婚者全体で68.3%。昨年の68.0%と同程度だった。
⇒男性全体で72.0%、女性は64.7%。男性は70代が最も高く80.0%だった一方、女性では70代が最も低く58.0%と、22ポイントの差が見られた。
⇒配偶者はどのような存在か尋ねたところ、1位「家族」65.0%、2位「この世で一番大事な人」14.0%だった。夫婦関係の満足度が最も高かった男性70代では、配偶者を「この世で一番大事な人」とした割合が24.0%だったが、女性70代では6.0%と大きな差が見られた。
■配偶者に求めるのは「一緒にいて安心できる」が最多。女性は求めるポイントが多岐にわたる
⇒配偶者に求めることの1位は「一緒にいて安心できる」55.7%、次いで「優しさ」49.7%だった。
⇒女性が配偶者に求めることは多岐にわたり、「誠実さ」「包容力・穏やかさ」「束縛しない」「浮気しない」「知識・教養がある」「経済力がある」は男性よりも11~26ポイント高かった。
⇒19の選択肢のうち、男性は平均で3.51個、女性は4.79個を選択。夫婦関係の満足度が低かった女性70代は最も多く、5.44個だった。
■パートナーがいるのは未婚者の約1割。満足度は74.2%で夫婦満足度よりもやや高い
⇒未婚者のうち、パートナー(恋人)がいるのは10.3%。
⇒パートナーとの関係の満足度は74.2%。夫婦関係と比べ、パートナーには不満が少ない。
■パートナー探しは「習い事・サークルなど趣味の場」が最多。異性の友人がいるだけでも満足度は高まる
⇒配偶者またはパートナーが欲しい人が興味を持つ出会い方は「習い事・サークルなど趣味の場」32.4%、「友人・知人の紹介」28.2%など。「旅行先・クルーズ」は14.1%、「マッチングアプリ」は12.7%だった。
⇒配偶者またはパートナーがいる人に異性の友人がいるかを聞き、生活の満足度を比較したところ、異性の友人がいる人は57.6%、異性の友人がいない(ほしい)人は28.6%と、大きな差が見られた。
■理想の夫婦ランキング1位は三浦友和・山口百恵夫妻
⇒1位「三浦友和・山口百恵夫妻」、2位「上皇陛下・上皇后陛下」、3位「天皇陛下・皇后陛下」だった。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。
毎年、既婚の男女に対して夫婦関係に関する調査を実施していますが、今年は未婚者も加え、パートナーの有無や関係についても聴取しました。シニアは配偶者やパートナーに何を求め、どんな想いを持っているのかを探るべく、本調査を実施しました。
※調査主体の(株)ハルメクホールディングス「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~79歳の全国の男女600名(既婚:男女各150名、未婚:男女各150名)
調査実施日:2023年9月21日(木)~9月25日(月)
調査主体 :株式会社ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所
※調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入しているため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
夫婦関係の満足度は68.3%。男女差は年代により最大22ポイント
・ 夫婦関係の満足度は既婚者全体で68.3%。昨年の68.0%と同程度だった。男性は72.0%、女性は64.7%と、7.3ポイントの差。男性は昨年から満足度が回復したが、女性は低下が続く。
・ 性年代別では、男性は70代が最も高く80.0%だった一方、女性では70代が最も低く58.0%と、22ポイントの差が見られた。
・ 配偶者はどのような存在か尋ねたところ、既婚者全体では「家族」が65.0%と圧倒的に高く、次いで「この世で一番大事な人」14.0%だった。夫婦関係の満足度が最も高かった男性70代では、「この世で一番大事な人」を選んだ割合が24.0%だったが、女性70代では6.0%と男女の意識に大きな差が見られた。
配偶者に求めるのは「一緒にいて安心できる」が最多。女性は求めるポイントが多岐にわたる
・ 配偶者に求めることの1位は「一緒にいて安心できる」55.7%、次いで「優しさ」49.7%だった。
・ 女性が求めることは多岐にわたり、全般的に男性の数値を上回る。特に差が大きいのは、「誠実さ」「包容力・穏やかさ」「知識・教養がある」「浮気しない」「経済力がある」「束縛しない」などで、男性よりも11~26ポイント高かった。
・ その他を含む19の選択肢のうち、男性は平均で3.51個、女性は4.79個を選択。夫婦関係の満足度が低かった女性70代は最も多く、5.44個だった。
未婚者でパートナーがいるのは約1割。パートナーに対する満足度は74.2%で夫婦満足度よりもやや高い
・ 未婚者のうち、パートナー(恋人)がいるのは10.3%。
・ 出会ったきっかけの1位は「職場・仕事で」32.3%、2位「友人・知人の紹介」12.9%だった。
・ パートナーとの関係の満足度は74.2%。配偶者の満足度と比べ高かった。
・ パートナーに求めることの1位は「優しさ」61.3%、2位は「一緒にいて安心できる」58.1%。TOP2は配偶者に求めることと同様だが、1位の「優しさ」をはじめ、配偶者に求めることを上回る項目が多い。特に差が大きかったのは「浮気しない」「スキンシップがある」など。
パートナー探しは「習い事・サークルなど趣味の場」が最多。異性の友人がいるだけでも満足度は高まる
・ 配偶者またはパートナーが欲しい人が興味を持つ出会い方は、「習い事・サークルなど趣味の場」が最多で32.4%。「友人・知人の紹介」28.2%、「職場・仕事で」22.5%と続く。「旅行先・クルーズ」は14.1%、「マッチングアプリ」は12.7%だった。
・ 配偶者またはパートナーがほしいと思いながらも現在いない理由は、「出会いがない」が圧倒的に多く77.5%。次いで、「年を取り過ぎている」43.7%、「金銭的余裕がない」31.0%と続く。
・ 配偶者またはパートナーがいる人に異性の友人がいるかを尋ね、生活の満足度を比較したところ、異性の友人がいる人は57.6%、異性の友人がいない(ほしい)人は28.6%と、大きな差が見られた。
理想の夫婦1位は三浦友和・山口百恵夫妻
・ 1位は「三浦友和・山口百恵」14.7%。男女とも1位だった。2位「上皇陛下・上皇后陛下(美智子様)」10.0%、3位「天皇陛下・皇后陛下(雅子様)」9.0%だった。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
70歳を過ぎたら、欲しがらずに片目を閉じて配偶者と接しよう
シニアの夫婦関係の満足度は、昨年同様70%弱。女性の配偶者への満足度が下がり続けていることが気がかりです。特に70代女性が夫婦関係の満足度をガクッと引き下げていました。シニア夫婦のあり方に不穏な予兆を感じるため、早急に原因を解明しなければなりません。今回の調査から、2つ言えることがありそうです。
1つ目は期待とのギャップです。妻は配偶者である夫への要求が複数にわたっていました。男性でも回答が多かった「一緒にいて安心できる」「優しさ」だけでなく、女性は、「包容力・穏やかさ」「誠実さ」「束縛しない」「浮気しない」「知識・教養がある」「経済力がある」などを求めました。19の選択肢のうち、男性の平均が3.51個に対し、70代女性は、平均5.44個選択。70代女性は男性平均の約1.6倍も相手に期待しているということになります。
結婚前には両目を大きく開いて見よ、結婚してからは片目を閉じよ。
イギリスの神学者トーマス・フラーの名言です。相手に期待するから失望も大きくなるといえそうです。
2つ目は心身の衰えによるものです。個人差はあれども、70代を過ぎると、身体・脳・心の衰えが顕著になってくるのでしょう。71歳女性が72歳夫の存在に対して記述された内容が印象的でした。
「手のかかる子ども。私が言った事が無いのに、お前が言ったとか、何回も同じことを言っているのに、初めて聞いたとか、記憶力が衰えていて、いちいち怒られるので疲れる」
老化で脳が委縮し、「もの忘れ(記憶力の低下)」「緩慢な動作」「怒りっぽい症状」が起きるのは自然なこと。しかし、毎日近くで生活している者はたまったものではありません。相手への不満が募るのも当然です。
超高齢化社会の今だからこそ、老齢夫婦がお互いを労わりあって、仲たがいせず穏やかに暮らしてほしいものです。トーマス・フラーが言うように、相手の多少の欠点や後退には片目を閉じるくらいの寛容さが必要なのかもしれません。
[訂正 11月22日]*******************
■パートナーに求めること のグラフの凡例が誤っており、修正いたしました。
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