調査リリース

【シニア女性と孫の関係に関する意識と実態調査 2025】孫とのコミュニケーションは「直接会う」以外は減少傾向 一方で、“孫消費”の平均金額は年間約18万円と2023年と比較し3.7万円増加している

株式会社ハルメク・エイジマーケティング

女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、55~87歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性で孫がいる人259名を対象に「シニア女性と孫の関係に関する意識と実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。 
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2024年1月~6月)

調査結果のポイント

  • 2023年調査と比較して、孫との接触頻度は「直接会う」を除き、減少。今後のコミュニケーション意向は「どちらともいえない」が6割近くで最も多い。
  • 親抜きで行っていることの上位は「おしゃべりをする」「食事をする」「おもちゃで遊ぶ」「テレビを見る」「公園で遊ぶ」など。「ショッピング」は同性の孫と行うことが多い。
  • 孫に使うお金の平均金額は年間約18万円となり、2023年と比較して3.7万円アップ。上位は「お小遣いとして現金を渡す」「食事代」「モノを買い与える」。
  • 「孫に教えてあげること」の上位は「礼儀やマナー」「生活の知恵・豆知識」「社会のルール」「自分の経験や体験したこと」など。
  • 大阪・関西万博に「孫と行きたい」と回答した割合は12.4%だった。 「そもそも自分が興味を感じない」が主な行きたくない理由として挙げられた。

【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。少子化やライフスタイルが変化する中、孫とのコミュニケーション・孫へのお金の使い方等の行動や考え方はどうなっているのか。今回は55歳~87歳の、孫がいる人に調査を実施しました。
 
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象・有効回答者数:55~87歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性で孫がいる人259名
調査実施日:2025年3月18日(火)~3月21日(金)
      2023年調査:3月に実施、55~85歳の全国のハルトモの女性で孫がいる人239名
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所 

※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。


2023年調査と比較して孫との接触頻度は「直接会う」を除き、減少。今後のコミュニケーション意向は「どちらともいえない」が6割近くで最も多い。

  • 「最も関わりの多い孫」と直近1年間にコミュニケーションがあった割合は「直接会う」が最も多く、以下「電話で話す」「LINEやメールなど文字や写真でのやりとり」と続く。
  • 頻度(1年間に行った回数)についても「直接会う」が最も多い。次いで「LINEやメールなど文字や写真でのやりとり」「電話で話す」となっている。
  • 前回と比較すると「直接会う」以外のコミュニケーション方法は、「1年間にコミュニケーションがあった割合」「頻度」ともに減少傾向だった。
  • 今後の孫とのコミュニケーション意向については「どちらでもない」が58.3%と最も多く、「増やしたい」は40.9%だった。


親抜きで行っていることの上位は「おしゃべりをする」「食事をする」「おもちゃで遊ぶ」「テレビを見る」「公園で遊ぶ」など。「ショッピング」は同性の孫と行うことが多い。

  • 祖父母と孫だけで行っていることの1位は「おしゃべりをする」、次いで「食事をする」で、幅広い年代の孫と一緒に行われている。
  • 「おもちゃで遊ぶ」「絵本や紙芝居を読む」は、未就学児の孫と行う割合が高く、「ゲームをする」は小学生の孫と行う割合が高かった。
  • また、「ショッピング」は同性の孫と行う割合が高い。


孫に使うお金は平均金額が約18万円/年となり2023年と比較して3.7万円アップ。上位は「お小遣いとして現金を渡す」「食事代」「モノを買い与える」

  • 1年間に孫に使うお金は「2万円未満」から「10~20万円」まで比較的分散している。
  • 2025年は「20万円以上」の割合が増加し、(2023年:18.8%⇒2025年:24.3%)、平均金額が約3.7万円増加した。
  • 孫関連のお金の使い道で上位に挙げられたのは「お小遣いとして現金を渡す(お年玉、お盆玉含む)」、次いで「食事代」「モノを買い与える」など。
  • 孫の年代が上がるほど「モノを買い与える」が減少、代わって「お小遣いとして現金を渡す」「お小遣いとして電子マネーを渡す」などが増加する。
  • 「孫の将来のための貯金、投信」「孫の学費や教材費」は孫が中学生以上の層で高くなっている。


「孫に教えてあげること」の上位は「礼儀やマナー」「生活の知恵・豆知識」「社会のルール」「自分の経験や体験したこと」など。

  • 「孫に教えてあげること」としては「礼儀やマナー」「生活の知恵・豆知識」「社会のルール」「自分の経験や体験したこと」などが上位に挙げられた。
  • 「言葉や算数などの勉強・知識」「動物・生物などの勉強・知識」は孫が小学生までの層で高い。一方、「生活の知恵・豆知識」「自分の経験や体験したこと」などは孫の年代が上がるほど高くなっている。


大阪・関西万博に「孫と行きたい」と回答した割合は12.4%だった。「そもそも自分が興味を感じない」が主な行きたくない理由として挙げられた。

  • 大阪・関西万博に「孫と行きたい」と答えた割合は12.4%であった。
  • 行きたい理由としては「孫と一緒に未来の社会を体感したい」「自分たちと違う文化を味わってほしい」などが挙げられた。
  • 行きたくない理由は「自分自身、万博に興味がない」が最も多く、次いで「混んでいそう」「孫がまだ小さい」「遠い」「疲れそう」などが挙げられた。


【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。

孫消費は「接触」から「投資」へ。祖母世代の“子抜き消費”は新たな動きか

 少子化の進行に伴い、55歳以上の女性が孫とのコミュニケーションを増やすと予測していましたが、実際は異なる結果となりました。2023年と比較して、孫との接触頻度は減少傾向にあり、「今後増やしたい」は4割にとどまりました。一方で、孫への支出額は増加しており、「時間は減ったが、消費は増えた」という一見矛盾した実態が明らかになりました。
 具体的には、直接会う頻度は前回とほぼ同じですが、電話やLINE、メール、オンライン通話などを介したコミュニケーション頻度が減少しています。直接会う孫とは、「おしゃべり」「食事」「テレビ鑑賞」「公園で遊ぶ」「おもちゃで遊ぶ」「絵本や紙芝居を読む」などを親抜きで行っており、これらは以前は親子間で行われた内容です。女の孫とは「ショッピング」も楽しんでおり、“子(孫の親)抜き時間”が充実している様子がうかがえます。
 興味深いのは、孫関連の年間平均支出額が約18万円で、前回より約3.7万円増加している点です。主な出費は「お小遣い」「食事代」「物品」「旅行代・交通費」ですが、「貯金・投資信託」「学費・教材費」「塾や習い事の月謝」など、進学・教育関連の支出にも注目します。物価上昇や孫の成長に伴う教育費の増加の影響もありますが、孫の将来を見据えた投資としての側面も読み取れます。また、「礼儀やマナー、勉強・知識、社会のルールを孫に教えることが多い」という結果から、祖母世代が「親よりも教育やマナーを伝えられる」という自信を持っている可能性も考えられます。
 今後、祖母世代の孫消費は「接触」から「投資」、「現在」から「将来」への視点へと変化していくと予測されます。大阪・関西万博も始まりましたが、当該世代の興味は薄いようです。しかし、「孫の成長や将来のため」「最新の技術や文化に触れ、孫と共に学べる」という祖母側のニーズをくみ取ったアプローチであれば、孫消費マインドを刺激できるのではないでしょうか。

ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」をご覧ください。
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