調査リリース

【お金に関する意識・実態調査2025】 メインの決済手段は、約5割が「クレジットカード」を使用し「現金」を大きく上回る シニア世代も現金離れが進み、ポイ活やNISAの活用で「守る・増やす」姿勢も明確に

株式会社ハルメク・エイジマーケティング

販売部数 No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、55~79歳のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性510名を対象に「お金に関する意識・実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2024年7月~12月)

調査結果のポイント

  • 「お金の使い方」への満足度は昨年より9ポイント低下し、節約したい費目の上位も軒並み低下するなど、節約志向の弱まりも見られた。
  • 現在の年金制度への満足度は、受給前に比べ、受給中の方が約2倍高い。
  • メインの決済手段は「クレジットカード」がトップで、「現金」を大きく上回った。9割以上がポイ活を実施。
  • 「お金の守り方・増やし方」の満足度は5ポイント低下。投資をしている割合は同程度だが、「NISA」の利用は10ポイント以上の伸び。

【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、50代以上女性のインサイトについて調査・分析を行っています。物価高や将来不安により個人消費の落ち込みが続いています。50代以上の女性はどのようにお金と向き合っているのか、お金の使い方に関する満足度、投資の実態などを調査しました。
 
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート 
調査対象・有効回答者数:55~79歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性510名
調査実施日:2025年6月24日(火)~6月30日(月)
※2024年調査は6月に実施、55~79歳の全国のハルトモの女性536名
※25年・24年調査とも、年齢5歳刻みで回答者数が均等になるよう補正している
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。

※ 本リリースの内容を掲載いただく際は、出典として「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
※ 調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。

「お金の使い方」への満足度は昨年より9ポイント低下し、節約したい費目の上位も軒並み低下するなど、節約志向の弱まりも見られた。

  • 「お金の使い方」の満足度は48.2%と24年に比べ9.3ポイント低下。特に60-64歳と70-74歳が大きく低下した。
  • 「これから節約・削減したい費目」の1位は昨年と同様「衣類・アクセサリー」だが、9.1ポイント低下。「お菓子・お酒などの嗜好品」「食料品」も低下し、「特にない」が増加した。
  • 最近「無駄遣い」だと感じた支出では、ファッションアイテムの衝動買いのほか、似たようなものの購入、ネット通販やクレジットカードでの支払いで財布の紐がゆるむなどの声が挙がった。

現在の年金制度への満足度は、受給前に比べ、受給中の方が約2倍高い。

  • 現在の年金制度への満足度を回答者全員に聞いたところ、受給中32.8%、受給前15.6%と約2倍の開きが見られた。「十分食べていける」などの実感が満足度につながっている。


メインの決済手段は「クレジットカード」がトップで、「現金」を大きく上回った。9割以上がポイ活を実施。

  • 普段お店で支払う際のメインの決済手段は「クレジットカード」が46.4%で最多。「現金」27.9%を大きく上回った。
  • 普段意識して貯めているポイントの1位は「楽天ポイント」で、唯一4割を超えた。9割以上が何らかのポイントを貯めている。
  • ポイントを貯めるためにしていることとして、「現金ではなくクレジットカードなどで支払う」が半数を超えたほか、「できるだけ同じ店で買い物する」「ポイントが多く貯まる日・期間に買い物する」などが挙がった。

「お金の守り方・増やし方」の満足度は5ポイント低下。投資をしている割合は同程度だが、「NISA」の利用は10ポイント以上の伸び。

  • 「お金の守り方・増やし方」の満足度は32.7%と昨年から5.1ポイント低下した。特に70代以上の低下が大きい。
  • 回答者のうち、投資をしているのは約6割で昨年と同程度。運用・保有している商品は「NISA」が最も高く、昨年から10.8ポイント増加。一方、「国内株式」「投資信託」は5ポイント前後低下した。


【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年から現職。年間約900人のシニアへの取材やワークショップを通じて、誌面づくりや商品開発、広告制作に役立てている。時代や世代も捉えて、半歩先の未来を予測・創造している。
著書に『消費の主役は60代 シニア市場最前線』(同文舘出版)など。

節約疲れのその先に。50代以上女性の揺れる消費と投資
 お金の使い方に対する満足度が、前年比で9ポイント落ち込みました。背景には、物価高や将来不安といった構造的な課題の他、「節約疲れ」という心理的な要因も浮かび上がります。「我慢の限界」「自分へのご褒美」といった声に象徴されるように、反動でつい無駄遣いしてしまう様子が見受けられました。
 無駄遣いの領域は幅広く、アパレルや化粧品、食料品や日用雑貨、サプリメントや健康器具、家電、寝具、本などのモノ消費から、おでかけ先でのぜいたくな外食やタクシー代、孫や娘へのギフトなど、コト消費にまで及びます。特に印象的だったのは、ネット通販やキャッシュレス決済の普及による「お金感覚のゆるみ」を指摘する声。自由記述には「ネット通販で似た服を買った」「クレカ払いだと、つい余計なものを買ってしまう」など、後悔や失敗談が数多く寄せられました。
 こうした無駄遣いの裏には、節約一辺倒では息が詰まるというマインドや、自分のために使いたいという欲求が垣間見えます。その一方で、資産形成への関心も確実に高まっています。新NISAの利用率は11ポイント増、iDeCoも現役世代で伸びており、堅実な長期投資志向が50代以上女性にも根づき始めているようです。
 年金制度に関しても、受給者の満足度が高く、「実際に受け取ってみると、案外やっていける」といった生活実感がうかがえました。加えて、キャッシュレス決済ではクレジットカードが現金を大きく上回り、9割以上が実践する「ポイ活」は生活の一部となりました。賢く使う工夫が当たり前になりつつあることを示しています。
 節約の限界と、お金への自覚のあいだで揺れる50代以上の女性たち。彼女たちは今、倹約よりも「知恵」と「ちょっとした後悔」から学びつつ、自分らしいお金との付き合い方を模索しています。

ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」をご覧ください。
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