調査リリース

【50歳からのハルメク世代に聞く なんでもランキング】50歳以上の女性が選ぶ「最後の晩餐として食べたいもの」ベスト3は 「お寿司」「おにぎり」「白いごはん」 人生の最後は原点に立ち返って

株式会社ハルメク・エイジマーケティング

女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する「ハルメク 生きかた上手研究所」は、50歳以上の女性(事前調査429名、本調査493名)へのアンケート結果をもとにした「50歳からのハルメク世代に聞く なんでもランキング」を公開しました。テーマは「最後の晩餐として食べたいもの」です。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2024年1月~6月)

【調査概要】
事前調査と本調査に分けて調査を実施。事前調査では「最後の晩餐として食べたいもの」を回答者1名あたり3品目まで自由記述で聴取し、回答が多かった20品目を選抜した。本調査では20品目についてそれぞれ7段階で評価を得た。
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:全国50~88歳の女性
調査実施日:事前調査 2025年4月30日(水)~5月2日(金)
      本調査  2025年5月22日(木)~5月26日(月)
回答者数 :事前調査 429名 本調査 493名
      ※本調査は50代、60代、70代以上が均等になるよう再集計した。
       本文中の回答者数は再集計後の人数。
調査主体 :株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所

【集計方法】
各品目の評価(7段階)に応じて配点し、ランキングを算出した。
[質問] 以下は、「最後の晩餐として食べたいもの(人生の終わりに食べたいもの)」として多くあげられたものです。それぞれについて、あなたはどの程度「食べたい」と思いますか。
[配点] とても食べたいと思う:100点、食べたいと思う:85点、まあ食べたいと思う:65点、どちらともいえない:50点、あまり食べたいと思わない:35点、食べたいと思わない:15点、全く食べたいと思わない:0点

※調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
※本リリース内容を掲載いただく際は出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。


【 調査サマリ 】

1位 お寿司
「最後の晩餐」として食べたいものの1位は「お寿司」。50代~70代以上の全年代で1位だった。理由の1位は「好物だから・おいしいから」、2位は「日本人だから・日本の味だから」、3位は「幸せな気持ちになるから」だった。
 
2位 おにぎり
2位は「おにぎり」。理由の1位は「日本人だから・日本の味だから」、2位は「ホッとする・癒される味だから」、3位は「基本だから・シンプルだから」。
 
3位 白いごはん
3位は「白いごはん」。2位との差は僅差(※2)。60代以上では2位だった。理由の1位は「日本人だから・日本の味だから」、2位は「基本だから・シンプルだから」、3位は「ホッとする・癒される味だから」。
(※2)P4「最後の晩餐として食べたいもの」ランキング配点(ウエート平均)の差分

最後の晩餐として食べたい理由(ランキングTOP3の理由5位まで)

食べたい理由(事前調査の自由回答を抜粋)

1位 お寿司

  • 大好物なのと、めでたい時には家族でお寿司を食べて、良い思い出しかない食べ物なので(51歳)
  • 時価という表示が並ぶお寿司屋さんで好きなネタを好きなだけ食べたい。お値段が心配で、つい回転寿司に行ってしまうけど、最後の晩餐ならこのあとのお財布事情を気にしないで良いから(60歳)
  • 毎日食べても飽きないくらい寿司飯が好き。だから最後に美味しいお寿司を食べたい(74歳)

2位 おにぎり

  • (人生は)日常の素朴な物で終わらせたい(55歳)
  • 自家製の酸っぱい梅干しを入れたコシヒカリのおにぎりは何よりも美味しく、最後の食事としたい(69歳)
  • 日本の米、黒い海苔、味付けは塩。塩ジャケの深い味わい。沢庵ついたら最高!(71歳)

3位 白いごはん

  • 納豆ごはん。どんな豪華な食事よりも、シンプルで満足できるものを食べたい。わたしの場合は、迷うことなくこれを挙げる。ほかの選択肢はない(56歳)
  • 薪をくべて羽釜で炊いたごはん。小さい頃、母の実家の土間の台所で、白い泡を立てて羽釜の蓋が動く時の美味しい香りをもう一度味わいたいから(64歳)
  • 美味しいものをたくさんいただいてまいりましたが、改めて最後となりますとシンプルに新潟コシヒカリのごはんです(71歳)


<その他>※ランキング外の食べ物含む
■贅沢する

  • 少し甘めのタレに口の中でトロッととろける高級牛肉を新鮮な卵につけて食べるのは年一回の誕生日。なので、最後の晩餐はこれで決まりです!(61歳)
  • フランス料理フルコース。前菜からデザートまで、シャンパンを飲みながらゆっくり味わいたい 大切な人と一緒にお喋りしながら楽しい時間が過ごせたら、それもご馳走となり幸せな晩餐(63歳)
  • 高級な懐石料理。一番好きだが、最高ランクのものは高額で食べる機会がほとんどないから(72歳)

■ノスタルジーに浸る

  • 亡くなった父が子どものころに作ってくれた、1段目は鰹節&お醤油、2段目(表面)は岩海苔を敷き詰めたお弁当は疲れた体に最高に効きました(55歳)
  • 子どもの頃、祖父が川で獲ってきた天然アユを塩焼きにして食べた。最後は骨をごはんに載せてお茶をかけお茶漬け。本当に美味しかった(62歳)
  • 昔から病気、骨折、産後など起き上がれない時に母が作ってくれた美味しい優しい味の雑炊。食欲がなくても食べられる。母が高齢となり、もう作ってもらうことがないであろうと思うと余計(63歳)

■リミッターを解除する

  • ケーキ。最後なら、その後のダイエットなど考えなくてよく、罪悪感が少なそう(51歳)
  • 焼きたらこ。健康を考えて食べないようにしているが、好きなので最後は思い切り食べたい(60歳)
  • お腹いっぱいコレステロールを気にせず魚介を食べたい(70歳)

■みずみずしさを味わう

  • スイカ好きなので、季節に関係なく、甘くてみずみずしいスイカを最後の一口では食べたい(63歳)
  • 今では一年中と言ってもいいくらいスーパーに並べてあるが夏限定の特別な果物という気持ちがある。最後にみずみずしいスイカでのどを潤したいと若い時から思っていた。大好きな果物なので(74歳)

※事前調査の自由回答において、「(「最後の晩餐」として食べたいものは)特にない」と回答した人は429名中4名(0.9%)だった。

 

【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。

「お米」と「スイカ」が選ばれる理由。最後の晩餐が語る人生の記憶

 最後の晩餐で食べたいものは、“ごちそう”ではなく“日常”でした。平均年齢65.1歳の女性が選ぶTOP3は「お寿司」「おにぎり」「白いごはん」。すべてお米関連が上位を独占し、「日本人だから・日本の味だから」といった理由が目立ちました。人生の締めくくりに、“特別”より“普段の日本の味”の豊かさに立ち返る。その選択には、年齢を重ねてきたからこその価値観がにじみ出ています。もちろん、2024年から続く“令和の米騒動”や、2025年5月に就任した小泉進次郎農林水産大臣による「米」に関する発信が注目を集めていることも、無意識に影響しているかもしれません。社会全体が「米」の存在を改めて見直しつつある今、その文脈とも自然と重なります。
 意外だったのは、フルーツ界の中で唯一TOP20入りした「スイカ」の健闘。メロン、いちご、りんご、みかんといった王道の果物を押しのけての登場は異色でしたが、その理由が興味深いものでした。「水分が多く、のどを通りやすい」という世代特有の身体感覚に加え、「甘くてジューシーで子どもの頃の夏の思い出と重なる」という、味と記憶が結びついた記述が見られます。なかでも頻出した“みずみずしい”という言葉は、単なる食味や栄養価を超えて、感覚と記憶を呼び起こす力を持った“世代ならではの味覚表現”と解釈できます。
 豪華なフレンチや懐石料理も登場しましたが、50代以上の多くが選んだのは「高価な逸品」ではなく「日常の食卓にある素朴な味」。最後に口にしたいものは「非日常の贅沢」ではなく「心に刻まれた日常の物語」。その代表が“お米”、そしてその象徴が“スイカ”というわけです。味覚は記憶とともにあります。この世代の嗜好を読み解くうえで、そんな仮説が浮かび上がります。記憶と結びついた食の価値に着目することが、企業が当該世代とつながる上で新たなヒントになりそうです。

ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」をご覧ください。
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