【お酒に関する意識・実態調査2024】お酒を飲むシニア女性は2年間で増加 お酒を飲む人も・飲まない人も、家でも・飲食店でも、ノンアル飲料が飲食の場を盛り上げる
株式会社ハルメク・エイジマーケティング
女性誌販売部数No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、50~86歳のハルトモの女性576名を対象に「お酒に関する意識・実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2023年7月~12月)
【 調査結果のポイント 】
- 飲む(める)人は増加。飲ま(め)ない人は減少。コロナ禍の2022年と比較してお酒の 飲用頻度や量はほぼ変化はないが、お店で友人や知人と飲む機会は増加。
- 普段からお酒を飲む人の17%、お酒を飲まない人の5%がノンアルコール飲料を利用。
- シニア女性のお酒の特徴は「量より質」。おいしいお料理とともに親しい人と語らい、健康にも配慮しながら、上質なお酒を飲みたい。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。ノンアルコール飲料市場が拡大を続ける中で、シニア女性のお酒の飲み方も変化してきているようです。今回は50代から80代における「お酒」の意識や実態などについて2022年調査と比較しながら分析します。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象・有効回答者数:50~86歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性・576名
調査実施日:2024年7月30日(火)~8月2日(金)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 2022年調査:3月、50~85歳578名 全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性対象
※ 本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
飲む(める)人は増加。飲ま(め)ない人は減少。コロナ禍の2022年と比較し お酒の飲用頻度や量はほぼ変化はないが、お店で友人や知人と飲む機会は増加。
- 飲む(める)人は2022年52.9%(306名)、2024年60.1%(346名)と7.2ポイント増、飲ま(め)ない人は2022年47.1%(272名)、2024年39.9%(230名)。
- 1か月あたりの平均飲酒日数は、前回(2022年3月)と比べて0.8日の増加。
- 「昨年と比べたときの飲酒の頻度・量」は7割が「変わらない」と回答している。
- 平日、休日とも8~9割が「お酒を飲むのは自宅」と回答。
- また平日、休日とも5~6割が「お酒をいっしょに飲むのは配偶者・パートナー」と回答。
- 前回調査と比べ「飲食店で飲む」「友人・知人と飲む」が平日・休日とも増加。
普段からお酒を飲む人の17%、お酒を飲まない人の5%がノンアルコール飲料を利用。
- 2022年調査と比べ、普段飲んでいるお酒は「ビール」が8.0ポイント増加。2024年から聴取したノンアルコール飲料は17.3%。
- 普段飲んでいるお酒は、前回が平均3.85種、今回が平均4.00種(ノンアル含む)であった。
- 普段お酒を飲まない人(飲めない人含む)が食事のときに飲んでいるものは「お茶」「汁もの」「水」「コーヒー」など。「ノンアルコールビール」は5.2%。
- 「お酒を飲む(める)人」「お酒を飲ま(め)ない人」の幸福度は同程度。「ノンアル・微アル飲料を飲んでいる人」は幸福度がやや高い。
シニア女性のお酒の特徴は「量より質」。おいしいお料理とともに親しい人と語らい、 健康にも配慮しながら、上質なお酒を飲みたい。
- 普段お酒を飲む理由で最も多いのは「料理がおいしく感じられるから」。次いで「楽しい気分になれるから」「リラックスできるから」「リフレッシュ、気分転換できるから」「ゆったりした時間を過ごせるから」などが上位にあがっている。なお、前回と比べて「一緒に飲む人とゆっくり話せるから」「一緒に飲む人と打ち解けられるから」が8~11ポイント増加している。
- 飲酒に関して気をつけていることについて最も多いのは「飲みすぎないように心がける」。次いで「カロリー・糖質の摂りすぎにならないように気をつける」「1日当たりの飲酒量の上限を決めている」など。なお、前回と比べて「カロリー・糖質の摂りすぎにならないように気をつける」「栄養バランスを考えて飲む」が4~6ポイント程度増加している。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。
50代以上こそスマドリ傾向。“ノンアルコール飲料”が、 飲む人、飲まない人、両者の幸運アイテムに。
厚生労働省は今年2/19に「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。50歳以上の女性への影響はあったのでしょうか。「多量飲酒で脳の機能が落ちる」「健康問題(高血圧やがん)のリスクが高まる」可能性があり、「量を決めて飲酒」「休肝日を設ける」などの留意点が記されています。公開当時、メディアでも話題になったので、当該世代のアルコールに対する抑制意識が高まったのではないかと予測しました。
当研究所は2年ぶりに「お酒に関する意識と実態調査」を実施しました。予測に反して「飲む人が増加、飲まない人が減少」という結果。飲用頻度、飲酒量、平均アイテム数はほぼ変わりません。しかし、飲酒に対する態度や行動は変化していました。飲める人も飲めないもノンアルコール飲料を積極的に活用していたのです。前者は「飲みたいが健康を考えないと」、後者は「飲める人がうらやましい」というマインドがあり、双方の受け皿が“ノンアルコール飲料”という構造。実際、「サントリー ノンアルコール飲料レポート2024」には「ノンアルコール飲料の市場は伸長を続け、10年前の1.4倍以上の過去最大規模になった」とあります。若者のアルコール離れだけでなく、飲める&飲めないシニアの心理的ハードルを下げ、スマドリ(スマートドリンキングの略)になったことも市場規模拡大の一要因といえそうです。
飲む(める)人も飲ま(め)ない人も幸福度は同水準でした。飲んでも幸せ、飲まなくても幸せといえる結果。その一助にノンアルコール商品があったというわけです。ノンアルコールを飲んでいる人の幸福度は全体平均よりも高かったことがその裏付けになります。長年の飲酒習慣や嗜好は変えづらく、アルコールへの体質が変わることも考えられません。ノンアルコールは、シニア女性に、飲食の場を盛り上げる幸福アイテムとして今後も支持されていくことでしょう。
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