プレスリリース

【買い物に関する意識・実態調査】 約2人に1人が「国内旅行」にお金をかけたいと回答。 また、化粧品・洋服・映画など、日常の“ご褒美消費”も増加傾向。 背景には、ストレス発散などの心理的動機や、タイパを意識した効率重視の姿勢がある。

株式会社ハルメク・エイジマーケティング

販売部数 No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する、ハルメク 生きかた上手研究所は、全国の女性50~79歳を対象に「買い物に関する意識・実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート(2024年7月~12月)

調査結果のポイント

  • 半年先までにお金をかけたいもの・ことのトップは「国内旅行」。2024年に比べ、「化粧品(スキンケア)」「洋服」「映画」などが伸びた。
  • 買い物においては「頑張った自分へのご褒美」「ストレス発散」などの心理的動機、「タイパ」「一石二鳥のおトクな商品」など効率・合理性重視の傾向が高まった。

【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。物価高の中でも何にお金を使いたいのか、消費の動機としてどのような意識があるのかなどについて調査しました。
【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象:全国の女性50~79歳・ハルメク通販サイトのメルマガ購読者
調査実施日・有効回答者数:2025年7月17日(木)~22日(火)472名、2024年9月5日(木)~11日(水)293名 ※いずれも50代・60代・70代が均等になるようウェイトバックしています。
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
※ 本リリースの内容を掲載いただく際は、出典として「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
※ 調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。

半年先までにお金をかけたいもの・ことのトップは「国内旅行」。2024年に比べ、「化粧品(スキンケア)」「洋服」「映画」などが伸びた。

  •  半年先までを想定して「お金をかけたい・利用したい」もの・ことを聞いたところ、1位は「国内旅行」47.3%だった。なお、「海外旅行」は10.5%で20位以内には入らなかった。
  • 2位以降は「化粧品(スキンケア)」「洋服」「自宅で食べる食料品・食材」と続く。「化粧品(ベース・メイクアップ)」は12位22.2%だった。
  • 2024年9月調査では1位が「自宅で食べる食料品・食材」だったが、10ポイント以上低下し、今回は「国内旅行」が1位となった。2位以下では、2024年9月と比べて「化粧品(スキンケア)」「洋服」「映画館での映画鑑賞」が約5~6ポイント増加した一方、「外食」が減少した。

買い物においては「頑張った自分へのご褒美」「ストレス発散」などの心理的動機、「タイパ」「一石二鳥のおトクな商品」など効率・合理性重視の傾向が高まった。

  •  買い物やサービス利用時の気持ちの上位は「欲しいもの、好きな商品を見たい・買いたい」、「セールや特売、値引きなどで賢い買い物をしたい」で2024年9月から横ばいだった。
  • 2024年9月と比べ、「頑張った自分にご褒美をあげたい」「ストレス発散をしたい」「仕事・家事などに向かうために気持ちを切り替えたい」などの心理的動機が10ポイント前後増加。また、「店舗に行くことで運動・外出したい」や「タイムパフォーマンスを意識して効率よく生活したい」「一石二鳥のおトクな商品を選ぶ」なども増加した。

■化粧品や洋服の商品選択時の理由やポイント(自由回答抜粋)
<周囲からのすすめやお試しサイズ>

  • 義姉に色つきの乳液を勧められて使ってみたのが最初で、それがとても使い心地が良く、他の商品もどうかな?と興味が湧き買うようになった(64歳)
  • ミニサイズの化粧品で試してみたら使い心地が良かったので、通常サイズを購入した(65歳)

 <着心地やケアの楽さを実感>

  • ショーツを購入したら履き心地が良かったので、ブラも購入した(55歳)
  • ストレッチ素材のTシャツの着心地がよく気に入った(61歳)
  • パンツを購入したら、履きやすくケアも楽でまた購入したいと感じた(63歳)
  • 購入した補正下着で姿勢が変わったので再度購入した。順次他のものも試してみる予定(78歳)

 
【専門家の見解
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年から現職。年間約900人のシニアへの取材やワークショップを通じて、誌面づくりや商品開発、広告制作に役立てている。時代や世代も捉えて、半歩先の未来を予測・創造している。
著書に『消費の主役は60代 シニア市場最前線』(同文舘出版)など。
 

物価高でも心を満たす 前向きな日常消費の台頭

今回の買い物調査から、物価高の中でも「心を満たす日常のご褒美消費」を楽しむ前向きなシニア女性の姿が浮かび上がりました。物価高の影響で消費マインドがシュリンクし、食料品や外食への支出意欲は落ち込みました。しかしその反動か、映画や習い事、洋服や化粧品といった“心を満たす日常のご褒美消費”が伸びています。猛暑の影響で屋内娯楽が選ばれた面もあるでしょうが、それ以上に「日常の中でちょっと前向きになれる消費」を求めているようです。
心理面でも同じ傾向が見られます。「外出したい」(+11.5ポイント)、「気持ちの切り替え」(+10.7ポイント)、「ストレス発散」(+9.9ポイント)が大きく伸び、買い物は単なるモノ調達ではなく「元気を取り戻す行為」として意味を持つようになっています。さらに「流行を取り入れたい」も+12.7ポイントと大幅に増加し、今なお新しいことに挑戦したい意欲の表れといえるでしょう。
また、自由記述で「素材の柔らかさ・着心地で選ぶ」、「化粧品のミニサイズで試せて安心できた」、「下着が体型に合って快適だったのでリピート」という声がありました。自分の心地よさで選択し、安心できる品質を重視していることが伺えます。
「物価高で財布のひもは固くなっても、心の満足感には投資する」。これが今の50代以上女性の消費観です。企業は「生活必需」だけでなく、「日常の中で、無理なく気分を上げるワクワクアイテム」を提供することで、この前向きな消費マインドに寄り添うことができるでしょう。

ニュース一覧