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番外編:人気ツアー「たてもの散歩」の名物ガイド、上村顧問の「浅草・隅田川のさくら散歩」に密着

ハルメクグループの「今」と「未来」を伝えるオウンドメディア「ハルイロ」をご覧いただきありがとうございます。編集長の入山です。
前回取り上げたハルメクグループの上村顧問、実は顧問という顔だけでなく別の顔を持っていました。今回は上村の「たてもの散歩」の名物ガイドとしての顔を、番外編として取り上げます。

前回の記事「社員番号3番、創業からこれまでを見つめてきた顧問の上村に、ハルメクグループの過去、現在、未来について聞きました」はこちら

(入山)4月に「浅草・隅田川のさくら散歩」に同行させていただきました。その時上村さんがガイドをされていて、その仕事っぷりが感動レベルだったのですが、あれはいつからやるようになったのですか?
(ハルメクでは、「たてもの散歩」や「草花散歩」など、読者の方向けのお散歩イベントを開催しています。過去の記事はこちら

(上村)元々は、「たてもの散歩」は私がやる前からあったんですね。ただ、うちのスタッフが案内して、行った先に学芸員の人がいて、この建物ってこういうもんですよとか、説明してたんです。たまに自分も参加してたんだけど、説明がとっても専門的で面白くなかったのよ。

例えば、ここでどんな人が生活をしていて、その人はどういう人生を送ってて、その時代ってどういう時代だったのかっていう背景的な話とかを一切しないから、ファクトだけが伝わってくるの。

このレンガはイギリス積みですとか言ってね。レンガ造りだと確かにイギリス積みとフランス積みとドイツ積みみたいなのはあるんだけど、どう関心を持てばいいかよくわからないみたいな。

もう一つは散歩だから歩くんだけど、歩く間みんな無言だったのね。手持ち無沙汰っていうか、いつ着くんだかよくわからないし、どこまで歩かされるのかみたいなのもよくわからなくてどうにかならないかなと思ってね。

それで、私が始めてからは、皆さんに無線で届くレシーバーを片耳に付けてもらって、歩きながらあと何分でどこどこに着きますよとか、今日のお昼ご飯はこんな感じですよって言ったりとか、心の準備ができる時間をつくるようになったの。もちろん、散歩する地域の歴史の事も交えながら話すわけ。

例えば駒場だったら、駒場一体っていうのはどうだった。神保町だったら、何で神保っていう名前がついたのかっていうそういう漠然とした地域にまつわる話をするの。今あなたが歩いている土地ってこういう土地だったんですよっていう話をしようと。

なので、ガイドを始めようと思ったきっかけは、学芸員の話が一般の人にはつまらないっていうのと、歩いてる間がつまらないっていうこの二つのつまらなさを埋めて差し上げることはできないかなと思って始めたの。
やることになってから、地域の勉強とかを本読んだりとか、ネットで調べたりとかしてね。

(入山)元々好きだったんですか?それともやるってなってから?

(上村)後から出てきたものも多いですよ。元々日本近現代史っていうのはちゃんと勉強しなきゃいけないなって50歳過ぎてから思ったんですよ。例えば子供からお父さん、日本って何で戦争したの。真珠湾攻撃って何でやったのと言われて。いやあれは軍部の暴走だっていうふうに、答えるのって情けないだろうと思ったわけ。当時、経済的な話だったり、政党の流れであったり、国民の意識の流れだったり、軍部だけが暴走して勝手にやって、市民は無罪だっていう歴史観はしょうがないなと。そうやって軍部のせいにしてるとまた繰り返すよと思ったから。50過ぎたおじさんがジムに通うのと同じような感覚で学んでたね。

(入山)なるほど。でも、たてもの散歩だと直接そういうのに関係ない話も多いですよね?

(上村)そうですね。自分が面白いと思わないものは、絶対に他の人も面白いとは思わないからね。なので、浅草というお題を与えられたときは、自分の興味関心があるところをまずはつかんでいく感じ。「なるほど普通の仏教と違うんだ。」「浅草寺の仏教ってもっと民間信仰で土着的なものなのね」みたいな。そういう庶民の仏教なんだっていうと、面白いなと。それが吉原って社会だったり、職人が周りに住んだり、そういうカオスな地域を作っていくことに繋がるとかね、自分の興味関心事を一度探して見つけないと、お客さんには伝わらないしね。

マル秘の学びノートを見せてもらいました。きれいにびっしり情報満載です。

(入山)お話を聞いているのと、前回話されていたコンテンツや商品を作るのと一緒と言われていたことと変わらないですね。上村さんが言っていることが一貫してるなと思いました。

(上村)まあね、でも、読者のためって言うよりは、ウケたいわけよ(笑)。自分が嬉しい。
相手にどこまで伝わったかとかね。やっぱり直にお客さんに会って話をしていると、スベっているかスベっていないかってわかるんですよ。スベらないようにするためにはどうしたらいいかっていうことを、1回1回真剣に考えてるの。
だから、入山さんに取材に来てもらった「さくら散歩」は、最後の3回目に来てもらったの(取材したさくら散歩の日)。1回目はウケるウケないかを探ってるから、より完成形に近い時に来てもらおうと思ったわけ(笑)。

(入山)もう感動するぐらいに、ずっと話してますよね。それと、上村さんだから来てくれるファンもいますよね。

(上村)長年やってるとね。常連さんはそうなるよね。ありがたいお話です。

(入山)これからの「たてもの散歩」にも期待しています。
今日はありがとうございました!

編集後記

今回は前回の記事から派生した番外編でお届けしました。自分も参加した散歩ツアーで課題を見つけて、自らそれを解決してしまうあたりは、一貫した顧客起点だと改めて感じるお話でした。老若男女、多様な人が活躍しているハルメクグループに興味を持っていただいた方は、ぜひ採用サイトからエントリーください。

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